ノウタスモールをプレオープンしました

ノウタスモールにお越しいただきありがとうございます。

「生産者自慢の逸品を直接ご家庭にお届けする」「価格は消費者が食べてから決める」という、とても特徴的なモールを沢山の方々のご協力のおかげでオープンすることができました。

この記事では、ノウタスモールのオープンにあたり、企画の背景や、どういうモール・場にしていきたいのか、というビジョンについて書かせていただきます。モールをオープンするにあたっての所信表明のようなものです。読んでいただけたらとても嬉しいです。

ノウタスモールを企画した背景

ノウタスとは

まず「ノウタス」というのは運営企業であるノウタス株式会社から取っています。実家が農業や畜産業を営んでいる都市圏在住のメンバーが、一次産業に貢献できていない現状への口惜しさからはじめた会社です。なぜ自分たちは実家を継いでいないのかを構造的に分解していくなかで、いろいろなことが見えてきました。また、同じように農家の実家を離れ、同じ気持ちを抱えている人が身近に沢山いることにも気づきました。自分たちが実家を離れて10年20年経験してきたことを、家業を継ぐ以外の方法で役に立てられないかを考え、「農業を助ける」「農業に足す」という発想から「ノウタス株式会社」と命名しました。

ノウタスモール企画のきっかけ

多くの農家の方にお会いし、課題や成功例などを聞いてまわりました。その中でとても印象的だったのが、業務提携先の老舗ぶどう農家である岡木農園との会話でした。ここ数年間ぶどう業界ではシャインマスカットが隆盛を誇っています。甘さが際立ち、種なしで皮が薄いためそのまま食べられるシャインマスカットは、年々価格と生産量が上昇しています。一方で、ぶどうの王様と言われる巨峰の価格と生産量は年々相対的に下がっており、巨峰の生産をやめてしまう農家も増えています。

主要品種の栽培面積(農林水産省「特産果樹生産動態等調査」より)

しかし巨峰が持つ、深い甘さ・酸味・渋みこそがぶどうの美味しさだという声も多く、その味わいはシャインマスカットに代替できるものではありません。また実を言えば、巨峰の生産はシャインマスカット以上に原価がかかります。美しい色を出すことは職人技ですし、消費期限もシャインマスカットよりも短いためです。このような特性を持つ生産物が市場から徐々に存在感を失っていくことに、生産者は忸怩たる想いを抱えているとのことでした。そこで、生産者が直接、消費者に価値を問うことのできるプラットフォームとして「ノウタスモール」の開発検討がスタートしました。

手応えを得たトライアル販売

企画を詰める中で、実際に消費者にシャインマスカットと巨峰を食べ比べてもらって、自由に値段をつけてもらうトライアル販売をしてみることにしました。結果として、巨峰の評価が非常に高く、自由につけていただいた値段は市場価格よりもずっと高いものでした。この数字の裏付けもさることながら、我々にノウタスモールのオープンを決意させたのは参加者からいただいた以下のようなコメントでした。

巨峰が濃厚な甘味で、家族全員シャインマスカットより巨峰の方が美味しいとの評価です

巨峰を食べたのは久しぶりでしたが、甘さと酸味も少しあって本当に満足できました

最近食べていなかったけどこんなに美味しいのか、という驚きを一種の新鮮な体験として感じ、市場価格よりも高い値段をつける。とても不思議な感覚でした。個人の嗜好性が多様化する現代において、「市場価格」と「個人が感じる価値」にはギャップが発生しているということの証明ができたとも考えています。

ノウタスモールをこんな場にしていきたい

生産者と消費者の満足度が最高のモールへ

一次産業のような歴史の長い業界においては特に、生産者よりも流通や消費者が優位になってしまいがちです。私たちはノウタスモールを生産者が本当に自信のある逸品を「さぁどうぞ、食べてみてください」と胸を張っておすすめできる市場にしたいと考えています。そのためにはその逸品を正しく消費者に伝える機能をモールとして持っていなければなりません。商品のもつ物語、画像の表現力、最高の食べ方、スムーズな流通。生産者の想いや事実が最も伝わりやすい形にするということです。

一方で、消費者にとっては驚きや感動を届けたいと考えています。この驚きや感動の中には自分で価格を決めるという主体性の回復も含まれています。生産者と消費者が対等な立場で向き合い、美味しいものを囲んでお互いの意見を伝えあう、そんな場にしたいです。

生産地に足を運び、生産者と語り合いながら最高な状態で逸品を楽しみ、満足を直接伝える。それに似た体験談をノウタスモールで生産者からも消費者からも聞くことができれば、「生産者と消費者の満足度が最高のモール」と呼んでいただけるものと信じています。

農作物に限らず逸品をご紹介していきます

ここまでの企画検討を通じて、「市場価格」と「個人が感じる価値」にギャップが発生している商品はぶどうなどの農作物に限らず存在することがわかりました。畜産物、海産物においても逸品をご紹介していきます。ノウタスモールで取り上げてほしい逸品がございましたら、ぜひお知らせいただけましたら幸いです。


長文をご覧いただきありがとうございました。ノウタスモールが生産者の皆さん、消費者の皆さんにとって最高の体験の場となるよう、運営も楽しみながら日々改善していきたいと思います。どうぞご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

ノウタス株式会社 ノウタスモール運営チーム一同